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論文 / Paper (新しい順)
1. Asuka Shiga, Nontrivial torsion in the Tate--Shafarevich group via visibility and twists, arXiv:2602.19861 (2026).
同じBSD不変量を共有する非同型な楕円曲線の組であって、非自明なTate—Shafarevich群を共有するもの が存在するかどうかを, visibilityの理論を用いて調べた。その際、visibilityの理論でこれまで扱いの難しかった加法的還元について、E(Q_l)[l]=0の場合(up to twistで, 楕円曲線は必ずこれを満 たす)でvisibilityの理論が使えることを, Shaの局所条件を緩めることで証明した。Fine Tate—Shafarevich群(局所条件を強める)や今回のrelaxed版など, 有限個の局所条件を変更した群が鍵になることが多い。Fineにvisibilityで入る元を作る問題も面白いかもしれない。しかしこうしたShaの元を作る機構はあくまで十分条件であり, E(Q_l)[l]\neq 0の場合はRemark 4.3の合成写像のより繊細な解析が必要になるだろう。
2. Asuka Shiga, Infinitely many pairs of non-isomorphic elliptic curves sharing the same BSD invariants, https://arxiv.org/abs/2507.18574
(2025)
解説: BSD不変量で楕円曲線を識別できるか? という問題( BSD不変量が完全不変量か? )に対し, 同じBSD不変量, さらに同じKodaira記号, 同じ最小判別式を持つが同型でない(しかもj-不変量が異なり, どの体にあげても同型でない)組が無数に存在することを証明した. このような組は, E(Q)\cong Z/2Zに限れば, twistを区別しないなら1組しかない. 1つ選んだ組に対して, 正の密度のツイストでさらに無数の例が見つかることがわかった.
証明は, Shaの2-partを同時に0にすることで, Sha全体の群構造を完全に一致させる. 2-partの同時ゼロ化にはAlexander Smithの密度定理を使う方法, balancedなisogenyに対して2-descentで具体的な無限族を与える方法の2つのコースがある.
3. Asuka Shiga, “Behaviors of the Tate–Shafarevich Group of Elliptic Curves under Quadratic Field Extensions,” Tokyo Journal of Mathematics 49 (2026), no. 1, 199–224. DOI: 10.3836/tjm/1502179452.
arXiv link: https://arxiv.org/abs/2411.12316
解説: Sha(E_D/Q)[2]が(分岐を増やすことで)大きくできることはCasselsのTamagawa比の理論により古くから知られおり, それに連動してSha(E/Q(\sqrt{D})[2]が大きくなることがすぐわかる. しかし, 本当に大きくなっているのはその比であるということに着目し, その比の挙動を調べた. Yuの公式の2-torsion部分群版を調べる研究であるとも言える. Sha(E/Q(\sqrt{D})[2]とSha(E_d/Q)[2]を同時に減少させうるかという問題も扱った.