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もし数学の運転免許学科試験があったら

次の文章が数学的に正しいときは○、誤っているときは×を記入せよ。​​(コホモロジー好きには6,10,13,15がおすすめ )

1. 代数群Gの単位元を含む連結成分は, Gの指数有限の正規部分群である.

2. 有理数体上の楕円曲線が素数pにおいてgood reductionを持つならそれとrational-isogenousな楕円曲線もpにおいてgood reductionを持つ.

3. 代数体Kのヒルベルト類体で完全分解するKの整数環の素イデアルの全体は, Kの整数環の単項素イデアルの全体に一致する。

4. Isogenousな楕円曲線のregulatorは一致する。

5.

  (1)Kodaira symbolは楕円曲線のNeron minimal modelの$\bar{F}_p$上のspecial fiberのスキームとしての同型類を分類している記号である。

  (2)I_0^*型においてNeron modelのcomponent群\tilde{ε}(F_p)/\tilde{ε}_0は位数4の元を持つ. 

  (3)Kodaira記号が同じ楕円曲線は同じTamagawa数を持つ. 

  (4)​楕円曲線のreductionがgood, split multiplicative, non-split multiplicative, additive reductionであることはisogenyで保たれる. 

  (5)奇素数pでIII^*型の還元を持つQ上の楕円曲線をpと素なDで2次ツイストした楕円曲線E^D/QはpでIII^*型である. 

  (6)Q上の楕円曲線E/Qが奇素数pでI_0^*型の還元を持つ時, 2次拡大をうまく選べばgood reductionにできる.

6.

 pを楕円曲線E/Qのgood primeとする. H^1(Q_p, E)はEが作用するp進体上のトーサーが必ず有理点を持つことから0である. 

7. E/QをQ上の楕円曲線とする。E/Qが2でgood reductionを持つとき, (D,2Δ_E)=1となるsquare-freeな整数Dによる2次ツイストE^D/Qは2において良い還元を持つ. ここで,  Δ_EはE/Qの最小判別式のこととする. 

8. Q上の楕円曲線E/Qに対し, 2次拡大体Q(\sqrt{D})に持ち上げると同型になる楕円曲線E^D/QをE/Qの2次ツイストという. E/QのWeierstrass方程式をy^2=f(x)と書くとき, square-freeな整数Dを用いてE^D: Dy^2=f(x)とかける. 

9. アーベル群A上の非退化なpairingはA[2]に制限しても非退化である.

 

10. 楕円曲線のTate--Shafarevich群は有限性を仮定しなくても捩れ群であることがわかり, 全ての素数lに対するl^{\infty}-partが同型ならTate--Shafarevich群は同型である. 

11. lを素数とする. 次数lのisogenyをQ上持たないという関係は, isogeny不変である. 

12. Q上の2つの固定した楕円曲線の間には, 互いに素な次数のisogenyは存在しない. 

13. lを素数とする. 楕円曲線E/Qと平方自由な整数Dについて, E^D(Q)[l]に位数lの点があることは2次元表現E[l]がDによる2次指標を含むことと同値である. しかし, 直和に分解している必要はない. 

14. 群の位数, 全ての元の位数が互いに等しい群は, 必ず同型である。

15. Gをσで生成される巡回群、Mを有限なG-加群とする。このときH^1(G,M) ≅ M / (σ−1)Mである。

16. 楕円曲線がある素数でmultiplicative reducitonを持っていたとする. どんな体拡大をしても, good reductionになることは絶対にない. 

17. Oggの公式に出てくるv_p(Δ)=m_p+f_p-1のmは, Neron modelのcomponent群Φ=\tilde{ε}/\tilde{ε_0}(\tilde{ε}はNeron modelのpでのspecial fiber) の\bar{F_p}有理点の位数である. 

18. $p$を素数とする. Q上のp-isogenyで結ばれた楕円曲線E_1, E_2について, E_1がl\neq pでpotentially good reductionを持つなら, lでのE_1とE_2のKodaira記号は等しい. 

19. 楕円曲線のisogeny f, g, hについて, f \circ g = f\circ hなら, g=hである.

 

20.  
E_1: y^2+y=x^3もE_2: y^2+xy=x^3+x^2+xも(0,0)を非自明な2等分点として持つので, F_2上supersingularである. 

 

21. 代数体K上の楕円曲線のL関数が一致するとき, 楕円曲線はK上でisogenouである.

​解説 : 

1.○ 「具体例1」のコーナーの「玉河数はNeron modelのspecial fiberの連結成分の個数」を参照. 2.○ : Neron Ogg Shafarevichの判定法. 3. ○

4.(1) × 5. I_0以外なら正しい. 教習所らしいひっかけ問題。(2)× 持たない。このことはKlagsbrunの論文のLemma 2.6も初等的な応用がある. つまり, ramified twist Dをv: good reductionのところで施すと, E_1^D(Q_v)には位数4以上の元が存在しない! このときvでKodaira symbolはI_o^*であり, この問題の答えから, 位数4の元はない. そうすると0\to E_1^D(Q_v)\to E_0^D(Q_v)\to F_v \to 0という完全列からE_0にも位数4がないことになり結論を得る. 

これによってSelmer群のトーサーは4次式だがHilbert記号だけでsolvilityの判定が実質的にできることがわかる! (3)Kodaira記号は\bar{F_p}上の幾何を分類するものである一方., Tamagawa数はF_p上の数論的量でありI_0, II, II^*以外では一般に異なる. (4)○ こちらを参照  (5)○ こちらを参照 

(6)2次ツイストでI_0にでき, 対応する2次拡大でgoodになる. 

6. × 確かにF_p上genus 1 curveは必ず点があり, それがpがgoodならHensel lemmaによってQ_p上に持ち上がる. しかし, 楕円曲線のgood primeはその作用するトーサーのgood primeとは限らない. 実際, n\ge 1に対してH^1(Q_p, E)[n]はE(Q_p)/nE(Q_p)の双対(Tate-local duality)であり, 非自明である. 7. 

7. × E が 2 で good でも,二次ツイストでは (T_\ell(E^D)\cong T_\ell(E)\otimes\chi_D)((\ell\neq2))となる。もし (\mathbb Q(\sqrt D)/\mathbb Q) で 2 が分岐すると (\chi_D|*{G*{\mathbb Q_2}}) は分岐し,(T_\ell(E)) は不分岐でも (T_\ell(E^D)) は分岐する。よって Néron–Ogg–Shafarevich 判定法より (E^D) は 2 で good reduction を持てない。したがって ((D,2\Delta_E)=1)(= (D) が奇数)だけでは不十分で,(D\equiv3\pmod4) などでは反例が生じる。8. × dy^2=f(x)で書けるものは確かに2次ツイストだが, 2次ツイストがこの形で書けるとは限らない. j-invariantが0, 1728のときに例外が生じる. 9. × 楕円曲線のTate--Shafarevich群のCassels--Tate pairingにおいて, \Sha(E/Q)\times \Sha(E/Q)\to Q/Zの\Sha(E/Q)[2]への制限は退化し, 各termのKerは2\Sha(E/Q)となる. 10. ○ 11. ○ 12. ○ 13. ○ 14. (Z/3Z)^3とF_3上のHeisenberg groupは同型ではないが, 同じ群の位数と全ての元について同じ元の位数を持つ. 15. ×。Gが無限巡回群ならH^1(G,M) ≅ M / (σ−1)Mで正しい。しかし、Gが有限巡回群で位数nをもつときは、関係式 σ^n = 1 があるため一般には成り立たない。この場合の正しい式はH^1(G,M) ≅ Ker(N) / (σ−1)M. ただしN = 1 + σ + σ^2 + … + σ^(n−1)である。16. ○ 17.Ogg の公式に現れる m_pは、Néron model の special fiber の既約成分の個数である。一方、component group (\Phi) の位数ではない。実際、I_0^*型では special fiber は 5 個の既約成分を持つのでm_p=5である。しかし geometric component group はPhi(\overline{\mathbb F}_p)\simeq (\mathbb Z/2\mathbb Z)^2なので、その位数はPhi(\overline{\mathbb F}_p)|=4.

18. 非常に重要. Dokchitser--DokchitserのTheorem 5.4 (1)を参照.

19. ○.  f \circ(g-h)=0より, Im(g-h)\subset Ker f : 有限. 連結で有限な代数群で0. よってg=h. 20. ×: y^2+a_1xy+a_3y=x^3+a_2x^2+a_4x+a_6について, -(x,y)=(x, -y-a_1x-a_3)である. E_1については, -(0,0)=(0,-1)で2等分点にならないが. E_2については, -(0,0)=(0,0)となって確かに2等分点である. よってE_1はsupersingular, E_2はordinaryとわかった。 

21. × 例えば $K/\mathbb Q$ が非自明なガロア拡大で、$\tau\in \mathrm{Gal}(K/\mathbb Q)$ とし、一般の楕円曲線 $E/K$ を取る。

共役曲線 ${}^{\tau}E$ については a_{\mathfrak p}({}^{\tau}E)=a_{\tau^{-1}\mathfrak p}(E) なので、$\tau$ が素イデアルを置換するだけでL({}^{\tau}E/K,s)=L(E/K,s).
しかし一般には $E$ と ${}^{\tau}E$ は $K$ 上 isogenous ではない。

 

PPAP ?

ピコ太郎からの出題:ヒルベルト記号(p,pa)_pを計算せよ。ただしpは素数、aはZpの単数とする。 (答)p≡1mod4のとき (a/p) p≡3mod4のとき-(a/p) (「数学のpdf」のコーナーの「フルシュテンベルグ位相とZの副有限完備化の関係」の§3の1「ヒルベルト記号」を参照

 

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